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 ミヤマ カヨコ  Reviews


CD”Amazing Kayoko Miyama/At Last”


<正にアメイジングなヴォイス・パフォーマンス>
都内・横浜を中心にライヴ活動やソロ・パフォーマンス活動を展開している自由自在な独自の世界を作り続けるヴォーカリストのミヤマ カヨコ。
その存在はまだ広く知られていないかもしれないが、まずはこのアルバムを聴いて欲しい。1曲目から正にアメイジングなパフォーマンスと独特の世界観に圧倒されることだろう。ヴォーカリストとしてのエナジーとスピリットとパワーが迸っている。自身のホームページで本作をジャズ・ヴォーカリストの面目躍如たるアルバムと紹介しているが、エリントンの「Heaven」、コール・ポーターの「Night and Day」、ハリー・ウォーレンの「At Last」では、ジャズ・ヴォーカリストの神髄を聴かせている。ぜひライヴでも体感すべき歌技はお見事。

加瀬正之”The Walker’s” Vol.48記載


『Amazing Kayoko Miyama /At Last』CD Review


ジャズが好きで、ヴォイスでそれを表現したくて、だからといってそれが“ジャズ・ヴォーカル”になるわけじゃないことを、ミヤマは生々しく体現させてくれる。
以前の3部作は事象に対しての憑依型だった。不機嫌な女/僧侶らの声明/祭場のノロたち・・・・、また飛び散る火の粉や水を切る舳先にまで声で化けてみせた。
しかし、ここにきてヴォイスは新たな次元に達したらしく、音による絵画創作の現場を突きつけてくることになる。抽象的だった声が重力を得て、ずしりと立体を現わし飛び跳ねだしたのだ。相変わらず超常的発声とその扱いにはド肝を抜かれるし、やはり聴いて納得するしかない声の協働芸術なのである。

長門竜也『ジャズライフ』11月号掲載


『リンラリンラミヤマ』CD Review


2010年3月のブログでも書いたJAZZシンガー・ミヤマカヨコさんの新作 CD「リンラリンラミヤマ」が発売となり、記念ライブが南青山の「MANDAL A」で開催された。
ミヤマさん——カヨちゃんは大学在学中からスタンダード・ジャズを歌いつづけてき た日本でも有数のシンガーである。
それがなにを思ったか、ここへきてトツゼン路線 変更。持ち前のミラクルボイスをひっさげて、なんと「チンドンセット」をバックに 歌いはじめたから、これにはびっくりぎょうてんして、思わず『パスワードまぼろし の水』にでてくる「KAYOKO LOVE」のモデルにさせていただいた。
今回のライブでも、そのエンターテイナーぶりはいかんなく発揮された。たとえば 「やっちゃいけないカリンカ」という歌では、いったい何オクターブあるのかと思う くらいの声域を披露。つい聴き惚れてしまった。
また、エレクトリック・ベースとの 掛け合いでやった「森の石松セッション」は、ただ驚愕・驚嘆・驚聴するのみであっ た。

松原秀行(児童文学作家)


日経新聞2011.12.27「夕刊文化欄・今年の収穫」掲載

日経新聞



おとぎ話の絵本のような特異なボーカル世界を創作し、3枚の作品に完成させた美山夏蓉子の珍しいライブも、今年の印象的なステージだった。
小さな空間にひろげられたこの想像力の翼は何とも魅力的。
(青木和富)


『ポッペンを吹く女』CD Review

『ジャズライフ』3月号掲載

歌詞なし。メロディもなし。これほど自己の世界を投影し、独特の風景音楽にしてしまう歌手もあるまい。
そして、アート画も含めひとつの創造物とする美山の感性とエネルギーには心底脱帽させられる。本作はそんな三部作における完結篇となった。
自らこれをピカソの「泣く女」だと言う。
それが日本人なら歌舞伎絵と重なりタイトルとダブってこようが、いきなり不満げに発せられる女のエキゾティックなコーラスで幕を開けて動揺させられる。
やがて経を読む僧侶の集団になり、祭り場のノロの一団となり、火の粉や舳先のきしみにも変貌する。
この世界は日本人ならば一度は体験したことのある、誰もが知る何かなのだ。
(長門竜也)


『ポッペンを吹く女』CD Review

『スウィング・ジャーナル』3月号掲載

すげえな。
四方八方に広がる肉声/冒険哲学を、思うままにパックしたアルバムだ。
女をテーマにしたそうな、枠なしのアナーキー盤。
ここでの我が道を行く吹っ切れた指針にふれると、なんと自分はフツーでつまらない人間であるかと、思わずにはいられない。ぶっちゃけ、頻繁に本作を聞けないとは思う。
だが、音楽/歌という人間的行為を真摯に、自由に突き詰めている人(しかも、日本人!)がいるという事を知ることが大切なのだ。
ぼくは、猛烈に感動し、鼓舞された。
(佐藤英輔)


『ポッペンを吹く女』CD Review

『CDジャーナル』3月号掲載

美山夏蓉子は、とんでもなく面白い表現者だ。
前作『オビヤビヤ』も驚嘆の世界だったが、この3部作最終作は、さらに想像力のユカイのようなものが彼女の中で暴れ回っているようで、聴くこちら側もただならない世界を前にしているような楽しい緊張が走る。
今回のテーマは女。有名な版画からうまれたタイトルは、江戸の廓の女郎が登場し、まるで演劇のような思いもかけない世界が展開する。いわゆるインプロの即興ではなく、声と楽器のこの即興的一人芝居は、ほかに例がないと思う。音楽は音楽だけじゃないと気づいている。
(青木和冨)


毎日新聞2009.2.9掲載

毎日新聞


『OBIYABIYA』CD Review

『CDジャーナル』掲載

さまざまな意味不明の言語を語る旅人たちが世界を巡るといった、メタファジカルなミュージカル(?)である。
これをほとんど一人でこなす美山夏蓉子が何とも楽しい才能で、この貪欲なというよりも何とも自然な想像力の翼の広げ方がうれしくなる。
物語は想像力を引き出し、その楽しさは新しい技術も生み出すという自然な循環がここにある。
美山はあらゆるジャズ・ヴォーカル、ヴォイスの世界を経てこの世界にたどり着いたようだが、いかにも女性らしい夢を所有したようにも思う。
こんな楽しい声の絵本はない。
(青木和冨)


『OBIYABIYA』CD Review

『ジャズライフ』掲載

声は神が人類に与えた最高の楽器だという言葉が頭に浮かんだ。
幾重にも重ねられた時間軸のなかに、さまざまな色を備えた声が詰め込まれ、それぞれ干渉がし合うことで別次元の風景を映し出していく。
歌とヴォイス・パフォーマンスの境界を定めているのはおそらく美山夏蓉子自身の象風景なのだろう。
だからこそ、放たれた声はどれもが無責任な軌道を残して消えていくことなく、ある意志に従って決められた一点に収束していく印象を残す。
音楽というものを分解していくと波長という形態に行き着いて、その原子単位の差異のコントロールが世界観を構築できるまでに至るのだなと物理学的な感動を覚える仕上がりだ。
(富澤えいち)


『Circle Step』CD Review

『JAZZ TOKYO』掲載

美山夏蓉子(ミヤマ・カヨコ)は日本では極めて異色のジャズ・ヴォーカリスト。
即興音楽のヴォイス・パフォーマーともまた違う。
ベティ・カーターが「憧れの存在」で「勝手に『心の師』と仰いでいる」と自身のライナーノートにも書かれていたが、美山のスタイルはまさにそれだ。
11年ぶりの新作は、そういった彼女の志向が強く現れた録音である。共演者は渋さ知らズでも活躍しているスガダイロー。
時にはフリージャズに突入、ピアノとヴォイスのコラボレーションへ。
これは一般的なジャズ・ヴォーカルではあり得ない事態といえる。スガは伴奏者ではなく共演者なのだ。
メロディからより自由な器楽的インプロヴィゼーションへと発展させることの出来るジャズ歌手は日本ではなかなかいない。その実、歌詞つまり唄の世界に深く入り込んでいる。
よく知られた<ブラック・コーヒー>や<ストレート、ノー・チェイサー>もまた独自の解釈で聞かせる。
有名歌手の<サマータイム>をフレーズ毎にコラージュ的に繋げるというユニークな<サマータイム>、一人多重録音<サークル・ステップ>の斬新な発想と表現の豊かさ。アカペラ部分でもしっかりと音程やテンポをキープしているのは、伴奏に頼らずに歌っているからだろう。
冒頭の<ザット・イズ・ユア・タイム>やスリリングなスキャットが印象的なベティ・カーターに捧げた曲<ミズ・ビーシー>がいい。唄はフレーズ、そしてメロディーであり、声もまた楽器なのである。
ゆえに美山の唄は、ジャズの本筋を行っていると言っていい。
地道に活動を続けてきたベテランが放った快作!
(横井一江)


『Circle Step』CD Review

『スイング・ジャーナル』

美山夏蓉子とスガダイローのデュオ・アルバムで、ボーカルとピアノのデュオでこれほどの豊かな音楽世界を構築していることに驚いてしまう。
美山はジャズ・シンガー、そしてボイス・パフォーマーであり、自己のボーカル&ボイス表現の可能性を追求しながら、個性的な歌の世界を切り開いている。
曲に独自の解釈を施す歌唱をベースにして、そこから自由自在なインプロビゼーションを展開する。
スキャットを駆使する彼女の即興はアーティスティックであり、まったく自由でどこへでも行けそうだが、音楽として構築することを忘れない。
また、美山のボイスは、時に楽器のようであり、時に鳥のさえずりのようであり、カラフルな色彩感を持っている。まるで肉声を芸術表現の媒介にして魔術師である。
ピアノのスガはそんな美山にふさわしい共演者だ。渋さ知らズや、鈴木勲オマ・サウンドなどで活躍するフリー・ジャズ系のアーティストである。美山とスガは、互いのフリーなジャズ・スピリットを奔放に発揮し、創造的なコラボレーションを進展させながら、音が衝突するようなバトルもみせる。
スタンダードの"Black Coffee""Summertime"、モンクの"Ruby, MyDear""Straight, No Chaser"以外の7曲は美山の作詞作曲。
"Ms. B.C."はベティ・カーター、"Michel, My Angel"はミシェル・ペトルチアーニに捧げた曲。美山の強い思いが込められた歌詞にも注目だ。
"Summertime""Circle Step"はピアノなしで、オーバーダブで、コーラスが加えられており、音楽を構成する手腕も見事である。
(高井信成)



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